ーハングリーで誠実、ポテンシャルの高さはアジア随一!バングラデシュ人材の可能性とはー
2020年1月に弊社はバングラデシュに進出!研究開発チームを発足し約1年がたちました。1年バングラデシュチームで研究開発をしてきた中で、見えてきたバングラデシュのエンジニア事情など「バングラデシュのITエンジニア」に関する調査レポートをこの度まとめましたので発表いたします。
Point
・平均年齢24歳、人工1.6億人。若い人材が豊かな国バングラデシュ
・ハングリーで誠実。利他のマインドにあふれる
・ITエンジニアのラストフロンティアがバングラデシュである
平均年齢24歳、人工1.6億人。若い人材が豊かな国バングラデシュ
バングラデシュの魅力は、まずは人口動態からみる、国力の発展性が挙げられます。日本が少子高齢である一方、バングラデシュは逆で、若者が多い国です。
平均年齢でみても、日本が47歳であることに対してバングラデシュは24歳。
若者が多いということは即ち、未来の労働力が豊富ということ。平均24歳であれば、少なくとも今後約40年は労働力が確保されるボーナス期が続くのです。
バングラデシュと聞くと、貧困のイメージが一般的にもたれています。
確かに、貧困ラインで暮らしている国民は2019年時点で4,000万人といわれ、その割合は国民の約1/4。しかし2010年は貧困ライン生活者が4,800万人ということから見れば、大幅に改善されています。その上で重要なポイントがGDPです。
2017年の名目GDPは2,621億US$。しかも過去の約10年間は安定的に6%程度の実質GDP成長率となっていましたが、2016年以降は7%台で成長しています。さらに一人当たり名目GDPも増加傾向にあり、2022年には2,500US$近くまで成長することが予測されています。
バングラデシュの主要産業は繊維と農業であり、輸出品の約80%が繊維製品、国内従事者の60%は農家だと言われています。しかし、その中で最近存在感を増しているのが、政府主導で急速に進められている情報通信やデジタル分野です。
2009年に誕生したハシナ・アワミ連盟政権は、独立50周年にあたる2021年までに中所得国になることを目標とする「ビジョン2021」政策や、2041年までに先進国入りすることを目標とする「ビジョン2041」政策を発表。また、全国IT化を目指す「デジタル・バングラデシュ」を打ち出し、2024年までソフトウェアおよびITアウトソーシングは100%税が免除されるなど、様々なインセンティブを打ち出して経済成長を目指しています。
そこで起きていることが、インターネットをはじめとするデジタルインフラの整備はもちろん、テクノロジー企業が増えるとともにデジタル関連スキルをオンラインで習得する国民の増加。政府のデジタルスキル促進の取り組みなども手伝い、デジタルスキル人材が急増しているのです。
バングラデシュの人口については先述しましたが、興味深い点が人口密度です。国土は日本の40%程度であるものの人口は約1.6億人と日本以上に多く、世界屈指の人口密度を誇るのがバングラデシュです。ただしその分内需の仕事が飽和している側面もあり、バングラデシュのITエンジニアはフリーランスが多いのも事実。英語圏のクラウドソーシング最大手の「アップワーク(Upwork)」では、バングラデシュの登録者数はインドに次ぐ規模にまで拡大しています。
ハングリーで誠実。利他のマインドにあふれる
つまり、バングラデシュは若いITエンジニアが多く、仕事を求めているため意欲も高いということです。また、この意欲に関してはただ経済的に自立したいというだけではありません。バングラデシュは、ソーシャルビジネス発祥の地といわれるほど利他のマインドが整っていて、奉仕のために働きたいという国民が多いのです。
これは実体験ですが、当社が以前現地で面接を行った際、何のために働きたいかの質問をすると、家族や社会のために役立ちたい。貧困や教育問題を解決したいと答える人ばかりでした。中には、大学卒業後の仕事がなかった間に、図書館を作って子どもたちに本を届けるビジネスをしていたり、過去の戦争の記録が残っていないため、収集してアプリを作って検索できるようにしたり、実践している若者も少なくありませんでした。
これは長年貧困国だったから、といえるかもしれません。しかしだからこそ、課題解決に取り組もうという意識が強く、仕事で得た報酬は自分のためではなく、他社を助けるために使うのです。仕事がないため自分で仕事を作る人も多く、そこで社会人経験やビジネスマインドを身にけるケースも少なくありません。
意欲が高く利他のマインドが豊かであるため、仕事に対してハングリーかつ誠実であることもバングラデシュ人の魅力です。さらに別の観点でいえば、人件費を抑えられることも特徴。当社は10~15年前にベトナムのオフショア開発に従事していましたが、現在は、当時よりベトナム人ITエンジニアの人件費はかなり上がっています。しかしバングラデシュはまだこれからの国であり、国内の仕事が枯渇している状況でもあるため人件費が抑えられるというのも特徴です。
実際に、当社が2021年3月に「過去にオフショア開発を実施した経験がある経営者・役員104名にインターネット調査した結果」(以下参照)によれば、バングラデシュのオフショア開発には、54.7%が興味を持っていると回答、また、バングラデシュでの優秀なITエンジニアの採用にも63.4%が興味がある、という回答結果になっています。日本の熱い視線も伺えます。
■2021年3月インターネット調査の結果
<調査概要>
・概要:オフショア開発やIT人材に関する意識調査
・方法:インターネット調査
・期間:2021年3月15日~2021年3月16日
・有効数:過去にオフショア開発を実施した経験がある経営者・役員104名
これらの背景には、ITエンジニアの人材が不足しているという現状があります。同調査でITエンジニアの採用に困っているかという質問には、62.5%が困っているという回答にもなっています。バングラデシュのIT人材のポテンシャルが期待されている状況と言えるでしょう。
ITエンジニアのラストフロンティアがバングラデシュである
バングラデシュ現地にはエンターテインメントはおろか、酒を楽しむ店が少ないことも、彼らがハングリーかつ誠実であることに関係していると思います。娯楽よりも働くことが好きな人材が多く、仕事を自ら探す姿勢が備わっています。
実際に当社が仕事をしていても、彼らのスキルの高さには驚かされます。当社ではこれまで多くの日本企業へバングラデシュ人材を紹介をしてきましたが、クライアントから物足りないなどをいわれたことはありません。むしろ、「積極的に提案をしてくれる」など、バングラデシュのチームはレベル高いと好評価です。
日本においてはどうしても外国語に対する壁があり、企業は日本人を採用したいという声が強いでしょう。しかし前述の通り優秀なITエンジニアは取り合いになっており、日本国内での需要は高まるばかり。なかなか採用はできません。そこで、日本でのビジネス経験がある、または日本語が話せるバングラデシュ人が有力なのです。
バングラデシュの公用語はベンガル語ですが、学校での授業は英語を使うので英語でのやりとりも問題ありません。また、JICAからの支援で、日本語とICT教育を受けることで、一定程度の日本語水準も身に付けるケースも出ています。このような背景から、海外ビジネスに関しても活躍してくれるのです。ITエンジニア大国としてインドは有名ですが、もともとバングラデシュはインドと同国であり、物事の考え方がインド人と近く、優秀な人材が育つ土壌が十分にある。この点も見逃せません。
ハングリーで誠実な若いエンジニアが多く、利他の精神を併せ持つ希望に満ちあふれた国がバングラデシュ。しかも人件費は高くない。ITエンジニアの世界における、アジアのラストフロンティアだといえるでしょう。日本のITエンジニア不足を救う国は、バングラデシュなのです。
このような背景から、当社では、バングラデシュエンジニアを活用したオフショア開発や優秀なエンジニアの採用支援を行っています。
また、1000名を超えるハッカソンイベントも企画していており、優秀なエンジニアの確保に力を入れています。日本のIT人材不足を解決し、産業全体の競争力向上に貢献して参ります。
この記事の詳細については、こちらからまたは以下にお問い合わせください。
アローサル・テクノロジー株式会社
代表取締役CEO 佐藤 拓哉 03-4400-1287 info@arousal-tech.com
弊社について https://www.arousal-tech.com/
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